取組事例集
テーマ別環境学習講座(平成29年度第1回)『サイエンスカフェ~考えよう!東京の暑さの原因と持続可能な都市づくり~』
実施日平成29年6月30日(金) 18時30分 から 20時00分 まで
場所水素情報館「東京スイソミル」
主催者主催:東京都環境局/実施:公益財団法人東京都環境公社
参加者38名
内容
1.開会あいさつ
2.講義 ◆ 都市部特有の熱環境の状況
◆ 人が感じる暑さとは? など
(話題提供者)公益財団法人東京都環境公社 東京都環境科学研究所 環境資源研究科
研究員 常松展充 氏
(講義内容概略)
・ 地球温暖化と都市のヒートアイランドの違い
・ ヒートアイランド現象のメカニズム
・ 都内の熱中症救急搬送者数の経年変化
・ 人が感じる「暑さ」や熱中症に影響するもの など
3.質疑・ディスカッション
(コーディネーター)国立研究法人 防災科学技術研究所 気象災害軽減イノベーションセンター
コーディネーター 兼 水・土砂防災研究部門主幹研究員 横山仁 氏
(話題提供者)公益財団法人東京都環境公社 東京都環境科学研究所 環境資源研究科
主任研究員 市橋新 氏 研究員 常松展充 氏
(主なディスカッションの内容)
〇 地球温暖化は自然現象ではないか?
・ ここ100年間の温度上昇は人間が排出した温室効果ガスなしでは、
科学的に説明が付かない。
〇 ヒートアイランド現象の実態
・ 人間活動による排熱と都市開発による地表面変化が都市の温暖化を引き起こしている。
・ 人への影響を考えると、緑陰やオーニングなど、直射日光を遮る対策が一番効果が高い。
〇 対策効果の見える化
・ 緑のカーテンを地域で取り組んだ時期があるが、対策効果を十分に示せず先細りになった。
・ 個別事業について効果を定量的に示すのは難しいが、
対策効果を分かりやすく見せることは重要。
〇 緑化の課題
・ コストをかけてまでも、街路樹はいらないという意見もあり、
大部分の市民が同意すれば、そのような都市づくりも可能。
・ 地球温暖化は経済問題。暑さの深刻化により熱中症患者が増えると、
それは環境問題であり、防災問題であり、最後は経済問題にもつながる。
捉え方によって意識も変わる。
・ メルボルンでは、1本の木が人々に与える様々な便益を金銭換算して示すことで、
市民の理解を得て緑化を推進している。
暑さ対策のメカニズムからまちづくりの手法・課題まで幅広く質問が多数出ました。
短い時間にもかかわらず、白熱した議論となり、
ヒートアイランド対策についての知識を深められました。
専門家と一般市民が対話を通して、テーマについて理解を深める「サイエンスカフェ」。
今後も様々な手法で、都民が環境について学べる機会を考えてまいります。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。