私たちはこの地球で生活をする中で、多くの天然資源から様々な商品を製造し、消費し、たくさんのごみを出しています。その結果、資源の枯渇だけでなく、資源を加工するとき、運搬するとき、廃棄するときなど、あらゆる段階においてたくさんの温室効果ガスを排出し、気候変動や地球規模での生物多様性の損失にもつながってしまっています。
ここでは、循環型社会や東京の現状について学んだ上で、わたしたちに何ができるのか、考えてみましょう。
私たちの生活は、地球の限りある資源のもとに成り立っています。しかし、資源を大量に消費するライフスタイルや世界の人口増加などが原因で、資源やごみの最終処分場が不足するかもしれないことなどが問題になっています。環境への影響をできるだけ少なくするために、ごみの量を減らし、資源として扱えるものは再利用することが必要です。今までごみにしていたものを資源としてくり返し使う、むだのない社会を「循環型社会」といいます。限りある資源を次世代に引き継いでいくため、「循環型社会」について考えてみましょう。
都内の家庭やお店、オフィスなどで出る一年間のごみの量は約424万トン(令和2年度)。工場や建築現場などで出るコンクリート、木くずなどのごみは一年間に約2,465万トン(令和2年度)です。都内から毎日たくさんのごみが出ているのです。
※ごみ量
環境白書と合わせると428万トン(ピックアップ回収量含む)
私たちが出すごみの多くは燃やされたり、細かく砕かれたりして、最終
23区のごみを
※ごみ捨てのルール
ごみは決められたルールに従って、分別して捨てることが大切です。ルールに従って分別することでリサイクルが容易になります。
ポイ捨てはやめましょう。ポイ捨てごみにより、街が汚れるだけでなく、海に流れ込むと、海流に乗って他国の海岸に流れ着き、海岸を汚します。また、海洋生物などに影響を及ぼします。
わたしたちの生活を便利にしてくれるプラスチックの主な原料は化石資源であり、プラスチック製造のために使われる原油の採掘から、流通、製造、消費、処分のそれぞれの段階でCO2が排出されています。その排出量はプラスチック1kgあたり5kg程度になります。さらに、都内で排出される廃プラスチックの多くが熱回収・焼却処理されており、大量のCO2が生じ、地球温暖化の原因となっています。
また、海洋プラスチックごみも問題となっています。海洋プラスチックごみの多くは河川等を経由して陸から海に流出したものです。2050年には海洋中のプラスチックが魚の量を上回ると言われており、海洋プラスチックごみやマイクロプラスチック(5ミリ以下の破片)を魚などがエサと間違えて食べてしまい、命を落とすなど、深刻な問題となっています。
都内の区市町村では、ごみを分別して収集し、色々なかたちでリサイクルを進めています。こうした取組によって、東京都のリサイクル率は少しずつ上昇
してきました。また、
都内の家庭、スーパーやレストランなどから年間約178万トン(平成30年度)もの食べ物のごみが発生しています。この中には、
飲食店における食べ残しなどにより、本来食べられたはずなのに捨
てられているもの(食品ロス)が約44.5万トン(
食品ロスは、気候変動にも影響を及ぼしています。私たちの手元に食品が届くまでには、生産、加工、流通といった段階があり、各過程において温室効果ガスが排出されています。その量は、世界では
使う資源やごみの量を減らすReduce(リデュース)、ものをくり返し使うReuse(リユース)、使い終わったものを資源として再利用するRecycle(リサイクル)という、資源を大切に使うための3つの行動を「3R(スリーアール)」といいます。生活の中の「もったない」を減らすことが、ごみを減らすことにつながります。積極的に3Rに取り組みましょう。
3Rのうち、一番大事なのは、そもそもごみを出さないようにする「リデュース」です。買い物をするときにはエコバッグを使うことでレジ袋をもらわない、ペットボトルの飲み物を買う代わりにマイボトルを持ち歩くなど、身近なところから使い捨て型のライフスタイルを見直してみましょう。
食品ロスの約3
ごみを分別して出すと、資源として使えるものをリサイクルすることができます。しかし、分別をしないと燃やされたり、埋め立てられたりしてしまうため、資源として利用できなくなってしまいます。また、分別が不十分だと、リサイクルに不適切なものを後から取り除く手間がかかったりして、リサイクルに悪影響を与えてしまいます。ごみを捨てる時には、正しく分別するようにしましょう。